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第286回 May I help You?

 「しつけ」は漢字では「躾」と書きます。美しい言葉です。着物や背広を縫うときに布地がずれないように仮に縫っておくために使う糸を「しつけ糸」というそうです。新品の背広に腕を通すときに、白い糸がついたままになっていることもあります。要は形を崩さずきちんと縫うためです。このプロセスが必要だと思います。ポケットに手が入らないで、びっくりしたこともありました。子供の教育と同じで生まれたばかりの素材の生地そのもので、きちんとした学生服を縫い上げるためには、親がきちんとしつけられなければしっかりとした子供には育たないのです。これこそ躾の糸ではないでしょうか。このごろは若者のマナーや礼儀作法が少々気になります。タバコの投げ捨て、公共の場や道路でのマナー違反。TPOをわきまえない携帯やスマホの使用、それにもっとも気になって仕方ないのが、エレベーターの乗り降りのマナーです。パリのホテルのエレベーターでの出来事がいまのその恐怖を甦らせます。大柄な女性のハイヒールが、小生の足の上を思い切り踏みつけた時、大声で飛び上がりました。「すみません」の一言もありません。こうしいた人のマナーを守っておらず残念なことです。エレベーターに乗り込むなり、上下ボタンの前にいる人に「3階・・・」とエレベーターガールに告げるように言い捨てる人。降りるときボタンの前で「開」を押してくれている人に「すみません」とでも、頭を上げるでもなく当たり前のように出て行く人。逆にボタンの前にいるのにさっさと出て行く人、降りる人より先に乗り込もうとする人など、気になります。ほとんどの人が判で押したように無表情なのもいただけません。なぜ「恐れ入ります」とか「お先に失礼します」などがいえないのでしょうか。その一言があれば、ボタンの前で先を譲る人だって、多少急いでいたとしても気持ちがいいでしょう。会釈するなり、表情やしぐさで謝意を表すこともできるのではないでしょうか。意思表示のできない内気な「シャイ」は美徳ではありません。
 さあ、現代社会のちょっとした一言は世のなかの潤滑油になります。さわやかに「お先にどうぞ」。ご安全に!

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